私の農業のボスです。
もう14年もお付き合いさせていただいております。
当初は「なんでも良く知っている人だなぁ〜」と思っていましたが、そうではないんですね。確かに知識は豊富ですし、新しい情報も入りやすい環境にはおられますが、それだけではないんです。それだけだと、「なんでも良く知っている人」なんですよね。
「考える人」なんです。
畑では図鑑に載ってないような症状が時々発生します。そんな時一緒になって考えてくれます。外的環境、栽培環境、人的影響などなど、素材を揃えて、アレコレ考えていくと、最終的には原因にたどり着きます。
本来、作物は畑で病気にかかりません。
そこを出発点にすると、作物が病気にかかった時、なぜかかったか。どうしたらかからないのか。と考えていきます。
作物は病気にかかるものだ。を出発点にすると、作物が病気にかかった時、どの農薬が効くの?で終わりです。
今回は4時間にわたり、作物の育て方や土壌や肥料の話ではなく、作物を見て考える事、畑で考える事、考えるという事はどういう事か、をとにかく熱く語っていただきました。
知識はないよりあったに越した事はないです。
ただ、知識は自分の頭の中になくても、どこかにあります。ちょっとした事ならSiriが教えてくれます。グーグル博士も常にポケットの中に待機しています。しかし、知恵は自分だけのものです。誰かに与えられるものではなく、自分の中から絞り出てくるものだと思います。絞り出す時は少々苦しみますが、一度絞り出した知恵は自分自身になっていきます。
知恵が湧き出る農業者にみんなでなっていきたいものです。